不妊治療⑨ -3周目 採卵と胚盤胞移植

さあ、まだ終わらないぞ。

 

胚盤胞移植2回目を実施してもだめだった私は、保険適用で費用が安くなったのをいいことに
「4回やってもだめならやめよう……」と考えていた。
というのも、私の年齢では正常な胚を移植したとしても妊娠する確率は25%という情報を見たのだ。
つまり妊娠できる子宮と胚盤胞をもってしても、4回移植しないと妊娠しない可能性があるのだ。
となると、4回やってみなければ結果はわからない。
私は、なんだかんだ理由を付けて諦めるのを先延ばししていた。

 

「どうしても子どもがほしいというわけではなかった」と言いながらまだ頑張るなんて、
もうそれは「どうしても子どもが欲しい人なのでは?」と今では思う。
なにが当時の私を動かしていたのか、自分でもよくわからない。
ただ「自分と旦那の遺伝子を半分ずつ持った人ってどんな人なんだろう?」という興味はあった。

 

3回目の胚移植。私はまたまた採卵からやり直しだ。
これまでの成果から、1回の採卵で凍結できるのは1個だけである。
4回目まで頑張るということは、あと2回も採卵しなければならないのか……。
そう思いながら臨んだ3回目の採卵だったが、
なんと! 7個も採卵できたのである。

 

これまで1個か2個しか採卵できなかった私にしては快挙だ。
頑張って採卵してくれた先生にも感謝だ。

 

ちなみに、どうすれば採卵数が増えるのか? なのだが、残念ながら自分でも心当たりがない。
お酒を普通通り飲んでいたし、妊活のために2、3回通ったよもぎ蒸しもこのときは行っていなかった。
そのほか何かを食べていたとか運動していたということもなく、理由は不明だ。
ただ言えることは、普段1、2個しか取れない人でも月によっては増えることもあるので
希望を捨ててはいけないということだろうか。

 

採卵できた7個の卵。
これまでの実績からすると4,5個くらい凍結できるのでは?? と期待したのだが、
結局凍結まで行ったのは3個だった。
3/7の確率だ。こうしてみると、一回目の採卵で1/1で凍結できたのはすごいことだったんだなあと思う。
ちなみに3個ともグレードは4ABだった。
数が増えた代わりに少しグレードが落ちた。
これは加齢のためなのか、卵胞をたくさん育てるために負担がかかったせいなのか、よくわからない。

 

これまでの採卵結果をまとめると以下のようになる。

 1回目 4AA 6日目胚盤胞 ★ホルモン周期 陰性
 2回目 3AA 5日目胚盤胞 ★ホルモン周期 陰性
 3回目 4AB 5日目胚盤胞
     4AB 6日目胚盤胞
     4AB 6日目胚盤胞

 

1回目と2回目は薬をガンガン使ってタイミングをコントロールして移殖する「ホルモン周期」を選んだ。
これだと通院回数が「自然周期」より若干少なく済むので、働きながら妊活する人に合っている。
だが2回試してもだめだったことから、違う方法を試してみてもよいのでは、ということで、
3回目は、4AB 5日目胚盤胞を「自然周期」で移植することにした。

 

なんでも、ホルモン周期で何回やってもだめだった人が自然周期で一発で妊娠したということもあるそうだ。
もしかして私もそういう体質で、自然周期なら妊娠するかもしれない。
こればかりはやってみないとわからない。いろいろ試すしかないのだ。

 

移殖の翌日、私は夢を見た。
はつらつとした小学生くらいの女の子が私になついている夢だった。
あまりにも私にべたべたしているので主人がうんざりしているほどだった。
ああ今回は女の子か、と思った。
この子がこのままお腹にいついてくれるといいなと思った。

 

しかしこの回、妊娠検査薬はまっっしろだった。
心の眼でも何も見えなかった。

 

それを反映してか、数日後、私はまた夢を見た。
先日の夢よりももっと小さい幼稚園くらいの女の子を自分の前に座らせて髪をとかしているのだが、
その髪がぼろぼろなのである。
気づけば髪だけでなく、顔も身体もぼろぼろなのである。
ああ、今回もだめなんだなあ、と思った。

 

判定日。やはり結果は陰性だった。
こうして3回目の挑戦は終わった。
「自然周期にしたらなんと妊娠できました」を期待していたのだが、自然周期でもだめだった。
4回目までに妊娠しなかったらやめる私には、あと1回しか残されていない。